じいちゃんのほうき
今では昔程の大雪に見舞われる事も少なくなりましたが、
私が小学生のときの冬と言えば、
毎日吹雪、屋根まで届く雪の固まりの上を歩いての登下校が当たり前でした。
ある日帰ってくるなり、
雪まみれになった私を見たじいちゃんが固まったんです。
何するのかと思いきや、
玄関掃除のほうきで私の雪を払いのけてくれました。
…それはいいんですけど、じいちゃんよ…
それいつもクモとか追い払ったりするほうきじゃん…
って思ったわけです。
もちろん次の日も、同じようにほうきで雪を払ってもらっていたのですが
やっぱりほうきに対してのちょっとした不信感。
そんなある日、
朝玄関をみたら、新品のほうきが置いてありました。
その日も雪まみれになって帰った私を払ってくれたほうきは
あの新品のほうきでした。
どうやら私の雪払い専用のほうきを買ってくれたようでした。
もうすぐわたしのじいちゃんが亡くなって3年になります。
冬になるとまっさきにこのほうきの事を思い出し、
今年の冬も、風邪引かないで元気に頑張ろうって思うんです。